近年、家庭やプライベートと両立するためにパート勤務を選ぶ薬剤師が増えています。
「週3日だけ」「扶養内で働きたい」など柔軟に働ける点が魅力ですが、その一方で注意したいのが 「契約更新トラブル」や「雇い止め」 です。

突然更新を打ち切られた・・・
長年働いていたのに急に契約終了と言われた・・・
そんな声も少なくありません。
本記事では、パート薬剤師に起こりやすい雇い止めの実態や、契約更新でトラブルにならないための対策を詳しく解説します。
パート薬剤師に多い契約更新トラブルとは?
まずは、実際によくあるトラブル事例を見てみましょう。
1. 契約更新を期待していたのに打ち切られる
- 「これまで自動更新だったのに、今回は更新しませんと言われた」
- 法律的には有期契約は更新される保証がないため、雇い止めが発生しやすい。
2. シフト削減による実質的な雇い止め
- 「更新はしたものの、急にシフトを減らされ週1日だけに」
- 生活できないほどシフトを削られるケースも実質的な雇い止めに近い。
3. 更新条件の変更
- 「時給が下げられた」
- 「勤務地が変更になった」
- 不利な条件提示により、事実上の退職に追い込まれることも。
なぜパート薬剤師は雇い止めにあいやすいのか?
1. 有期雇用契約だから
パート薬剤師の多くは「半年〜1年単位の有期契約」です。
更新が繰り返されることもありますが、会社に更新義務はありません。
2. 経営状況に左右されやすい
- 処方箋枚数の減少
- 人件費削減
- 店舗閉鎖や統合
こうした経営判断によって契約更新が打ち切られることがあります。
3. 正社員より立場が弱い
「即戦力として採用されたのに、経営悪化時に真っ先に削られる」のもパート薬剤師のリスクです。
雇い止めを防ぐために知っておきたい法律知識
薬剤師として安心して働くためには、最低限の法律知識も押さえておきましょう。
1. 雇い止め法理(労働契約法第19条)
- 契約が繰り返し更新されている場合
- 更新を期待するのが合理的な状況の場合
上記に該当すると、会社は雇い止めに「客観的合理性」「社会的相当性」が必要になります。
2. 無期転換ルール(労働契約法第18条)
- 同じ会社で通算5年以上有期契約を続けると、労働者側の申込みで「無期雇用」に転換可能。
- 長期的にパートを続けるなら、このルールを覚えておくことが大切です。
雇い止めを防ぐための実践的な対策
1. 契約書を必ず確認する
- 契約期間
- 更新の有無
- 更新条件
をしっかり確認。口頭説明だけに頼らず、書面で残すことが重要です。

特に個人薬局は口約束になりやすいので、後々トラブルにならないように
しっかり書面に残してもらいましょう!
2. 上司や会社と良好な関係を築く
- 突然の雇い止めを避けるためには、普段から信頼関係を築いておくことが大切。
- シフトの協力度や勤務態度も評価対象になります。

評価がよければ雇い止めになる可能性は少ないです!
3. 更新時期が近づいたら早めに確認
- 「次回の更新もお願いできますか?」とこちらから確認する習慣を持つ。
4. 複数の収入源を持つ
- 派遣やWワーク、副業などを組み合わせることで、万が一雇い止めにあっても収入が途切れにくい。
雇い止めにあったときの対処法
万が一「次回の契約更新はしません」と言われた場合、どのように動くべきでしょうか。
- 理由を確認する
- 経営上の問題か、勤務態度の問題か。
- 曖昧な説明で納得できない場合は、労働相談窓口に相談。
- 労働局・労働基準監督署に相談
- 不当な雇い止めが疑われる場合は、行政の相談窓口が有効。
- 早めに転職活動を始める
- 雇い止めは「次の契約更新をしない」という形で行われるため、告知から実際の終了まで数か月の猶予があります。
- その期間を有効に使って、次の職場を探しましょう。
パート薬剤師が安心して働くためにできること
- 契約更新のルールを把握する
- 無期転換ルールを活用する
- 複数の働き方を選択肢に入れておく
薬剤師は需要が高く、パートや派遣、在宅ワークまで幅広い選択肢があります。
「もし今の職場で働けなくなっても、次がある」という安心感を持つことが、雇い止めの不安を軽減する一番の方法です。
まとめ
パート薬剤師は柔軟に働ける反面、契約更新トラブルや雇い止めのリスクがあります。
- 契約書を確認し、更新条件を把握しておく
- 普段から職場との信頼関係を築いておく
- 万が一のときは労働局に相談する
- 収入源を分散させてリスクヘッジする
これらを意識すれば、安心して長く働くことができます。
薬剤師としてのキャリアを守りながら、家庭やプライベートとの両立を実現するためにも、**「雇い止めに強い働き方」**を今から準備しておきましょう。
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